本年も大変お世話になりました。2025年もどうぞよろしくお願い致します。
12月29日(日)から1月3日(金)まで、休業とさせて頂きます。
アトピー性皮膚炎と漢方薬
アトピー性皮膚炎は、一種のアレルギー性疾患でステロイド剤を使用すると一時的にきれいに治りますが、再発しやすくなかなか根治しにくい疾患です。
痒みが強い湿疹が主たる症状で、赤ちゃんから年配の方まで幅広い年齢層で見られます。
また、発症する部位や症状は年齢とともに変化します。
世界的に研究されていますが、メカニズムが複雑でまだ根本的な治療方法は確立されていません。
それ故、西洋医学的な治療は、抗ヒスタミン剤・ステロイド剤等を用いた対症療法が中心です。
ステロイド剤は炎症がひどい時は必要ですが、長期間使用を続けるとシミができたり皮膚が薄くなったり
あるいは、急に中止するとリバウンドの心配もあります。
症状を悪化させる要因としては、ストレス・食生活の欧米化・生活のリズムの乱れが考えられます。
残念ながら、これらを日々の生活の中から完全に排除することは困難です。
その為、なかなか症状が良くならない、再発を繰り返すという方も多いようです。
一方、漢方(東洋医学)の視点で見てみると、
アトピーの方は、五臓(東洋医学における内臓の事)の中で、
脾・肺・腎(下図参照)の働きやバランスが乱れている事が多いです。
つまり、皮膚(体の外側)に症状が出ているのだけれども、
実は、病気の本質は内臓機能(体の内側)の乱れにあるという事です。
古来「皮膚は内臓の鏡」と言われています。
内臓の異常は、皮膚の異常や防衛力の低下を引き起こします。その結果、症状が悪化したり再発を繰り返したりします。
内臓のバランスを良くする、つまり体質改善するには体質や症状に合った漢方薬の選択が必要です。
基本的に、肺や腎(ホルモン系などを含む)を強化して、胃腸の弱い方はその手当もします。
それにより、体全体が良くなり免疫力が高まるので、再発しにくくなります。これを本治(根本療法)といいます。
痒み・じゅくじゅくなどの症状を改善する標治(対症療法)と組み合わせるとより効果的です。
勿論、漢方薬だけではなく、その方に合った養生(食事・生活習慣の改善・ストレスの緩和など)も大切です。
加えて、毎日のスキンケアもとても大切です。
アトピーの治療は根気が必要です。まずは、悪化しないように毎日スキンケアをしっかりすると良いです。
●五臓とは?
東洋医学では、臓器を大きく5つに分けて捉えます。西洋医学とは異なり、それぞれの臓器が協調したりブレーキをかけたりしながらバランスをとって生命活動を営んでいると考えています。そのバランスが乱れると、体の不調が起こり病気へと進行して行きます。
●脾とは、食物の消化・血の維持などの働きをする臓器です。
●肺とは、呼吸・全身の気のめぐりや水液の散布運行を調節する臓器です。
皮膚や鼻も関連しています。
●腎とは、生命活動の根本で、水の代謝・生殖・免疫・耳等と関連しています。
(一部わかりやすく表現しています)
●その他のアレルギー性疾患
・花粉症
・アレルギー性鼻炎
本治(根本療法)による体質改善は、漢方の得意分野です。
標治(対症療法)と二段構えで行います。
詳細は、ご相談下さい。