不妊の原因は体質で考える


病院の不妊治療は、まず検査をして原因を探します。

ホルモン値の異常、子宮筋腫、内膜症、PCOS、あるいは精子の運動率が低いなど。

一方、漢方で対処する場合は、まず「体質」を見極めます。

具体的には、


症状・睡眠・食事・嗜好品・舌の状態


などをチェックします。

これらの情報から、気・血・水と五臓の状態やバランスを分析し、体質を判定します。

ちなみに、気(エネルギー)・血(血液)・水(血液以外の水分)が、体の中に充分量存在し、さらさら流れていれば、健康です。

反対に、不足したり流れが滞ったりすると、体調が悪くなります。

五臓とは、5つの臓器(脾、肺、心、肝、腎)の総称です。人体の生命活動の中心で、協力しながら機能しています。

不妊相談では、「腎」に問題がないか探ります。

なぜなら、腎は、単なる「腎臓」ではなく、ホルモン分泌・生殖能・発育・免疫・老化などに関与するからです。

卵子を育てる、排卵する、受精卵を育む、精子を作るなどは、この腎の働きなのです。

もし、腎が弱っている状態であれば、腎を強くする必要があります。

五臓と気血水は、有機的につながりながら体質を形成します。

漢方で考える体質は、6タイプあります。


気虚・血虚・陰虚・気滞・瘀血・痰湿


全部説明すると、すごいボリュームになってしまうので、今回は「血虚」について紹介します。

血虚は、血の働きが不足するタイプです。

いわゆる「貧血」と診断されていなくても、血虚に該当する方もいます。

症状は、顔につやがない、めまいや立ち眩み、手足のしびれ、抜け毛、肌がカサカサ、動悸、目の疲れ、ドライアイなどです。

胃腸機能が弱い、生理不順、不妊症など婦人科のトラブルを起こしやすい特徴があります。

舌は淡い色で小さいです。


実際は、どれか一つのタイプにあてはまるのではなく、メインの体質に複数のサブの体質を併せ持つケースが多いです。

季節や生活状況によっても変化します。勿論、漢方の服用前後でも。

当店では、カウンセリング時にお客様の現在の体質を、詳しく解説致します。

自分の体質が判ると、いろいろな発見があると思います。

例えば、「いろいろな症状で悩んでいたのだけれど、実は、どれも血虚体質の症状だった」

「病院では検査をしても、原因が判らないと言われたが、体質から原因を探る事ができた」など。

臨床的には、不妊症の約20%が、「原因不明不妊」と言われています。

西洋医学的な要因が見当たらなくても、体質の観点で原因を考える事ができれば、漢方で妊娠しやすい身体作りができます。

2021年07月21日|カテゴリー:妊活