病院の不妊治療について

イラスト:可愛い赤ちゃん


病院の不妊治療について、簡単にまとめました。

①検査をして不妊の原因を探ります。
血中ホルモン検査・抗精子抗体検査・抗クラミジア抗体検査などの血液検査や ヒューナー検査・子宮頚管粘液検査・精液検査・卵管通気・通水検査・子宮卵管造影など。

これらの検査をしても、なかなか原因がハッキリしないケースも多いです。

②一般不妊治療からスタート、高度不妊治療へステップアップして行きます。
検査を踏まえて原因を究明しながら、タイミング→人工授精→体外受精・顕微授精へと治療が進みます。不妊の原因によっては一足飛びに体外受精を勧められることもあるようです。

③体外受精(IVF)や顕微授精(Icsi)
高度不妊治療と言われる治療法です。体の外に卵子を取り出して精子と受精させて受精卵を作る医療技術です。

「如何にしてより良い受精卵を作るか」これが最も重要なテーマです。
排卵誘発治療(ショート法など)や授精を成立させる為の技術開発など、各医療機関がしのぎを削って取り組んでいます。

例えば、顕微授精の際、卵子の膜に穴を空けて精子を注入するのですが、パルスを用いて従来よりも卵子に影響を与えない様にしながら精子と受精させる技術(Piezo Icsi)や 、

従来よりも高倍率の顕微鏡で精子の頭部の状態などをより詳細に観察し、より良い形態の精子を顕微授精に用いる治療方法(IMSI)など です。

④ 受精卵を子宮に戻して育てる
より良い受精卵が出来たら、それを体内の子宮に戻し育みます。

その際、戻すタイミングがずれていないか内膜の遺伝子を検査して調べる子宮内膜受容能検査-ERA や、最近は子宮内膜の環境(常在菌のバランス)を検査する子宮内フローラ検査を実施する施設もあります。

また、以前からある不育症の検査:抗リン脂質抗体・凝固第12因子などに加えて、自己抗体異常や染色体異常を調べることも出来ます。

⑤流産を繰り返す場合
形態的にグレードの高い(例えば5AA)受精卵を戻しても、着床しなかったり流産を繰り返してしまうケースがあります。

技術的には、受精卵の染色体(遺伝情報の本体)数を調べる事が出来るようになりました。(PGS・PGD:実施には条件がありますし全ての医療機関で受けられる訳ではありません)これにより、染色体正常卵を選択的に子宮に戻す事も可能です。流産を減らして母体を守ることに役立つと思います。

またPGSにより、形態的グレードの高い受精卵が必ずしも染色体正常卵とは限らない事が分かってきました。「良いグレードの受精卵を戻したのにかすりもしなかった」と落胆された経験をお持ちの方もいらっしゃると思います。実際には染色体異常が要因であったかもしれません。

逆に、グレードが低い受精卵でも無事出産まで至る例もあるそうです。あるいは、外国において、移植前にPGSをして染色体正常卵だけを選択的に子宮に戻す方法もあるそうですが、それでも必ず妊娠するとは限らない様です。

まだ人知では分からない事もたくさんあるのです。

現状では、選択的に染色体数が正常な受精卵だけを人の医療技術で作り出す事は出来ません。ですから、よい卵と巡り会うまで淡々と治療を繰り返す事になります。

改めて「いろいろな条件が奇跡的に重なって赤ちゃんに出会えるんだ」「妊娠は神秘的」と感じます。


 

2018年09月17日|カテゴリー:妊活